鉄隕石のエッチングを始める前に

エッチングする際の薬品は個人でも簡単に入手可能なものもありますが、皮膚や目に付着すると非常に危険な薬品であり、薬品の廃液の処理は完璧な中和作業なしでそのまま捨てたりするとキッチンやお風呂場などにある金属製のものを腐食させ穴が空いたり、有機物に触れると発火したり、重大な環境汚染になりますので取り扱いには十分に注意して下さい。

隕石のエッチングをやりたい方は、ギベオン隕石やムオニオナルスタ隕石などのオクタヘドライトが本物かどうかを確かめたり、ヤスリや金属ブラシで擦ってしまって結晶構造が消えてしまったり、興味本位でエッチングをしてみたいなど様々あると思いますが、エッチングをして特徴的な模様がでるものは「鉄隕石のオクタヘドライトに分類される隕石のほとんど」と「一部の石鉄隕石のパラサイトの鉄部分」のみとなります。

エッチングを行う薬品で最も手に入りやすいのは500円程度で手に入る「塩化第二鉄液」だと思います。
同じ酸の薬品で10%mol程度の希塩酸や希硫酸も手に入りやすいですが、エッチングをするという目的では買わなくて大丈夫です。5%程度の希硝酸か濃硝酸が手に入れば一番いいのですが、爆発物の原料となるため、手に入りにくくなりました。身分証明書や誓約書を書き、名刺を出して仕事で使うという旨を伝えれば都内とかで入手できる場所もあります。


腐食液 塩化第二鉄液 500ml
エッチングを行うのにはお手軽な価格で通常500円程度です。


無水エタノールP 500ml
通常1200-1500円程度です。
綺麗にエッチングをしたいのであれば、エッチング前に隕石についた余計な脂などを脱脂しましょう。

塩化第二鉄液を使った鉄隕石のエッチング手順「そのうち画像付きで解説します」

【必要なもの】
塩化第二鉄液
無水エタノール
ゴム手袋
保護メガネ
ガラスシャーレ(ガラス製の皿)またはポリエチレン製の容器(タッパーなど)
ガラス製の箸またはポリエチレン製の箸やトングなど(薬品から引き上げる際に必要)

【使用するエッチング液】
塩化第二鉄液を同量の水で薄めたもの

【作業工程】
1.エッチングする隕石を耐水ペーパーの400→800→1600→3200番くらいの順で水をつけてヤスリがけをし、錆や結晶構造を剥がす
2.剥がし終わったら、無水エタノールに漬けて脱脂作業をする
3.無水エタノールをドライヤーなどで軽く乾燥させ、上記で作ったエッチング液に入れる
4.エッチング時間はスライスしているもので表裏5-10分ずつ程度(冬場など液温が常温を下回る場合は、30-40度くらいの水で湯煎しながら行う)
5.エッチング液から引き上げて、隕石についたエッチング液を水でよく洗い流し、水に重曹または苛性ソーダを入れた中和液に入れる
6.中和液に入れながら、新たな重曹などを隕石に揉み込む
7.揉みこんだらナイロン製の柔らかいブラシなどで擦って中和液をよく洗い流す
8.無水エタノールで脱脂作業をし、ドライヤーなどでよく乾燥させ、鉱物油の中につけて錆が発生しないか2.3日観察する
※塩化第二鉄液でエッチングすると、どうしても表面がザラザラとした手触りになり光沢もほとんどないのでラッカーやレジンを薄く塗布し、見栄えをよくしたりも出来ます。

【そのうち掲載予定】希硝酸を使った鉄隕石のエッチング手順

【必要なもの】
濃硝酸または希硝酸
無水エタノール
ゴム手袋
保護メガネ
ガラスシャーレ(ガラス製の皿)またはポリエチレン製の容器(タッパーなど)
ガラス製の箸またはポリエチレン製の箸やトングなど(薬品から引き上げる際に必要)

【使用するエッチング液】
硝酸を無水エタノールで5-10%molまで薄めたエタノール溶液

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